raenonxのポケスリ攻略ではポケモンが1日に獲得するエナジーを計算できる。
エナジーチャージMは、Lv6時点ですでに十分一線級、好物きのみのきのみとくいきのみSLv50には及ばないものの、及ばないなりにそこその競ることができ、好物きのみじゃないきのみとくいは逆立ちしてもエナジーチャージMに勝てない、そんな状態だった。
エナジーチャージのレベル上限開放は本当にゲームバランスとして悪手だったと思っていた。他のスキルは、比較的数字が等間隔で伸びていくのに対して、エナジーチャージは等倍で伸びていく。紙を42回折ると月に届くという小ネタを聞いたことがある人もいるかもしれないが、等倍で増えていく指数関数と呼ばれる数列のパワーは本当にとんでもない。
よりによって、現環境で既に強いエナジーチャージが、指数関数を持っていて、それが上限開放され、しかも驚くべきことに、Lv6からLv7の伸び率はLv6までより大きく設定されていることもわかった。
これは本当におかしいことで、実際raenonxさんのサイトで計算させてもらうと、とんでもない数字を叩き出してくる。
まず、好物きのみでない場合、きのみとくいのきのみSは、Lv50だろうとなんだろうと、エナジーチャージMLv7に逆立ちしても勝てない。以下は、Lv50きのみSライチュウと、スキル確MエナジーチャージLv7デンリュウの比較。
好物きのみの場合、Lv50のライチュウと、Lv30のデンリュウがいい勝負をする。
当然Lv50同士での比較ならデンリュウが勝つ。
きのみとくいが同じレベルで、エナジーチャージMに勝とうと思ったら、きのみとくいは好物きのみで、エナジーチャージは好物きのみでない状況でしか勝負ができない。
ラピスラズリでのメガニウムとデンリュウを比べてみよう。
Lv30同士では、メガニウムは大差をつけられてデンリュウに負ける。
Lv50同士、きのみとくいは好物きのみ、エナジーチャージMは好物きのみではない、という条件を揃えてようやくギリギリ逆転ができる。
きのみとくいの側が、好物フィールドに限定され、なおかつレベル50まで上げなければならないという厳しい制限を背負ってなお、その制限によるリターンとしてのエナジーチャージMとの差は10%に満たない。
しかも、これはどちらか一匹を選ばなければならないゲームではない。Lv50メガニウムとデンリュウ両方編成すればいい。スキルレベル7のデンリュウを持っていたら、どのフィールドでも編成間違いなしの強さなんじゃないだろうか。
ラッタやガラガラなんかの、性能低めのきのみとくいはどれだけ有利な条件をつけてももうエナジーチャージと競えるエナジーを稼ぐことはできない。食材もあるため劣化互換とまでは言わないが、流石にこのエナジー差をおしてまでレベル50まで上げて採用する理由はもはやない。
デンリュウとエーフィ、ヒーラー、そこにフィールドに合わせたきのみとくいのトドゼルガやメガニウム１体、料理ときのみとくいの食材に合わせた食材とくい1体。少なくともレベル上限60開放までは、この5体が効率を目指すユーザーが目標とする結論パなのではないか。
おてつだいホイッスルを使うユーザー、レベル55のきのみとくい艦隊をフィールドごとに組めるユーザーは違うかもしれないが、そういった極端な廃課金ではないユーザーが、ポケスリを攻略しようと思ったら、プレパスを買って、毎月金種を交換して、デンリュウとエーフィを育てる、これ以外ないのではないだろうか。
無課金はメインスキルのタネが手に入らないという大きなハンデを背負ってプレイする、縛りプレイになる。そういう、あからさまな課金優遇のゲームバランス調整になっていると思う。
いくらメインスキルのタネが必要と言っても、メインスキルのタネはプレミアムパスに加入していれば、なんだかんだ月1以上のペースで手に入るし、スキルレベルアップM個体を選べばデンリュウの場合タネ２つでLv7に到達する。ポケモンをLv50にするのに何ヶ月かかるのかを思えば、むしろメインスキルのタネ２つ手に入れる方が早いのではないか、とも言える。
育てるのが大変なことには間違いはないが、この環境破壊の強さのリターンを考えれば、スキルレベルアップM個体を厳選してメインスキルのタネ２つ使う程度のコストが、そんなに非現実的なものと思えない。
私はデンリュウは持っておらず、エーフィのメインスキルLv6を使っているが、体感としても、この試算が間違っているとは感じない。
世間は、ライコウライコウと、ライコウのために金種はとっておけ、と言っているが、まずはこの、明確にとんでもない環境破壊の性能を持つエナジーチャージMの話をするべきなんじゃないのか。これが存在している時点でゲームバランスが壊れているのに、ライコウがそれを上回ると言うなら、このゲームはライコウとエナジーチャージM以外のポケモンはほとんどみんな価値がなくなってしまう。
本当に、エナジーチャージに緊急下降修正が入ってもおかしくないレベルの環境破壊だと思う。おかしなことが起きている。課金させるために、運営は環境を壊した。全てのポケモンが同じ強さであるというのは非現実的なのは分かるが、この調整はあきらかにマイナーなきのみとくいたちから活躍の場を奪い、編成の多様性を失わせた。プレイヤーはこの拝金主義、現金なゲームバランス調整に、もっと怒るべきだと思う。
ホイッスルにスキルは対象にならないため、廃課金には関係のない話ではあるし、無課金でまったく課金の選択肢を考えておらず、課金周りの情報も集めていない人にとっては現時点では視野の外の話であり、この壊れたバランス調整で現時点で最もゲームの楽しみを奪われているのはプレパス課金層だと思う。
本来課金することで戦略の選択肢の幅が増えるべきところが、強すぎる選択肢がたった一つだけ存在することで、かえってゲームの戦略の選択肢を狭め、自分で考えチームを構築する楽しみを奪っている。
この攻略情報が広まり、エーフィとデンリュウがプレパスの特権としてみんなが使うようになった段階で、きっとようやく、情報を集めていない無課金も、このおかしいゲームに気が付き始め、もしかしたらそうなってようやく、運営はエナジーチャージに下方修正を入れ、課金しメインスキルのタネを集めてきたユーザーから不評を買う、そんな展開になるのかもしれない。
現在のところ、このステップは、「攻略情報が広まる」の時点で止まっている。配信者は無課金対象の誰でもできる攻略情報を発信する方が視聴者層が広く確保できるため、メインスキルのタネの使用前提の攻略情報は発信しないし、そもそもおそらくアンテナを張ってもいない。廃課金者のホイッスル配信には当然スキルとくいのエーフィとデンリュウは出てこないため、その点でもエーフィデンリュウが人の目に触れることはない。
「プレパス課金はエーフィデンリュウを育ててどこでも使うのが最適解。無課金にはその選択肢は取れないので、きのみとくいとかで頑張って工夫していく」そういう客観的な攻略に対する認識を、広めるモチベーションがある人がいない。資本系攻略サイトの攻略情報の質は昔から低いが、個人発信の情報においても、XやYoutubeが収益化されることで、情報の正確性より「聞きたい言葉」であることが優先され、質が落ちている。
正確な攻略情報は、wikiやraenonxなど、客観的な情報を、自分で読み取り分析できる人だけの特権になり、その分析が公開され、適切に分析の質が評価され、分析の質の高い情報が広まるという民主的な分析の評価プロセスが機能していない。
公式はメインスキルのタネが強いことに気付いて課金して欲しいと思っているだろうから、ユーザーがこの不健全さに気付いて批判をはじめるまで、今後もメインスキルのタネ優遇の傾向は進行していくのだろうし、ユーザーがそれに気づく日は当面来ないのかもしれない。
