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【ポケスリ】おためしバンドル&ポケモンデーパック

おためしバンドルは、無課金向けに課金を促す意図がうかがえる、異様にお得なパックとなっている。それ自体は別にそれぞれのお財布の許す範囲で無理なく健全に課金をしてもらう分には構わないのではないかと思ったが、ここに来て、ゲームバランス上やや不自然なタイミングでのメインスキルレベル上限引き上げ調整と、それと同時のメインスキルのタネ販売というのはどうなのか。メインスキルのタネに課金するための恣意的なバランス調整ですというのがあからさますぎやしないか。

おためしバンドル

おためしバンドル、ダイヤ合計500個と、ポケサブレ10個、いいキャンプチケットが1枚のセットを300円で買えるアイテムの追加が発表された。今までのダイヤで交換するパックと異なり、直接お金で購入するセットとなる。
単品だと、ポケサブレは3枚で180ダイヤ、いいキャンプチケットは500ダイヤで販売されているため、合わせて1600ダイヤ相当になる。ダイヤはまとめ買いの単位に応じて、1ダイヤ1.4〜2円で販売されているため、本来300円なら160ダイヤ程度が妥当と考えると、10倍お得なセットになっている。1ユーザーにつき一度きりの大サービスセット。
運営の意図としては、今まで課金したことがないユーザーに、無償ダイヤでのパックの購入ではなく、お金を出しての課金というのを一度体験して欲しいという意味での「おためし」なのだと思う。

プレミアムパスのお得度と比較

今までのパックの中で、私調べで単純ダイヤ換算最もお得だったパックは、ハロウィンパックLで、約倍のお得さになっている。おためしバンドルは10倍程度で、既存のパックのお得さとは比べ物にならない。
プレミアムパスは980円でいいキャンプチケット、スリープポイント4000、ボーナスサブレ+の恩恵を受けられる。継続特典は三ヶ月に一度で、ばんのうアメL、サブスキルのタネ、ゆめのかたまりM。
ボーナスサブレは毎日1枚ポケサブレと換算すると30枚。スリープポイント4000はプレミアム交換所で、ポケサブレ10枚、スーパーサブレ5枚、ばんのうアメM2個に交換したと考えると、ポケサブレ40枚が2400ダイヤ相当、スーパーサブレ5枚が1000ダイヤ相当、ばんのうアメM2個は600ダイヤ相当で、いいキャンプチケットと合わせて合計4500ダイヤ相当のアイテムを入手できる。
継続特典抜きで比較するとおためしバンドルの方がややお得になる、継続特典込みだとプレミアムパスに軍配が上がる、そのぐらいのちょうど競るようなバランスになっている。
内容的にもいいキャンプチケットが被っていることもあり、かなりプレミアムパスの「おためし」であることを意識した内容なのではないだろうか。

スリープデーパック

ホリデーパックの中身としてはじめてタネ2種が販売されてから、3度目のタネの販売となっている。
ホリデーパックM 1200ダイヤ サブスキルのタネ
ホリデーパックL 3000ダイヤ メインスキルのタネ
ニューイヤーパックM 3000ダイヤ サブスキルのタネ
ニューイヤーパックL 5000ダイヤ サブスキルのタネ メインスキルのタネ
スリープデーパックL 3000ダイヤ メインスキルのタネ
記念などで不定期に配布されることを除いたら、タネ2種はプレミアムパスを購入しないと使えないプレミアム交換所か、こうしたパックに含まれる販売しか現在のところ入手方法がない。
ver1.3.0で予定されているエナジーチャージスキルのスキルレベル上限引き上げについて、「ゲームの進行度に応じて性能が変化しない数少ないスキルなため、レベル上限と共に上げる意図はわかるが、プレイヤーの多くの進行度に対してタイミングが早かったのでは」と以前の記事に書いたが、メインスキルのタネがポケスリにとって大きな商材であることを考えると、スキルとくい優遇のゲームバランスは商材を売るためという風に見えてくる。
メインスキルのタネの最大入手数はかなり限られていて、入手ペースは運営にコントロールされている。メインスキルLv6はポケスリにとって、試供品だけ持って行くユーザーではなく、お金を払っているお客さんの証であるがゆえの優遇措置としてのメインスキル上限引き上げであり、同時にレベル上限に達してしまったらメインスキルのタネを購入するモチベーションがなくなってしまうため、もっと買ってもらうための引き上げなのではないか。
あからさまに狙ったかような、3度目のメインスキルのタネの販売、ポケモンデーの1000ダイヤ配布と、おためしバンドルの500ダイヤ。手持ちのダイヤと合わせて足りない分はおためしバンドルで、あるいはそれでも足りない分は課金してね。そういう誘導線を感じざるを得ない。

ポケスリの売り方について

ホリデーパックではじめてタネが販売されたときから、その後もばんのうアメLがはじめてパックに含まれたり、アブソルのおこうという今までゲーム内に一つもなかった無進化ポケモンのおこうがパックに含まれたり、ポケモンスリープのパックは、毎度「それ売るの?」とちょっと驚くようなものが多い。
ユーザーの余暇に使える金額自体は運営がどんなに工夫したって変わらないし、そのラインを超えた購入は持続しない。ユーザーには買い疲れなどと呼ばれる現象があり、うまいことユーザーの購入意欲を煽って予算以上に購入させる状況が起きると、その反動でその後売れなくなる。一ユーザー個人目線でも、予想を裏切るパック内容というのは、先の見通しの立たない状況であり、後からいくらでも運営が恣意的にゲームバランス調整をするのだと思うと、購入するかどうかの検討を含め真面目に考えてゲームをすることが馬鹿らしく思えてくる。
今回のあからさまなメインスキルのレベル上限引き上げ調整といい、ポケスリのパックの売り方が、目先の利益のためにコンテンツの将来性を食いつぶすような売り方に思える。フェアなゲームバランスが先に提示され、課金要素がどう有利にしてくれるのかユーサーが判断できる状況での購入が、まっとうな販売、購入契約であり、次のパックを売るために恣意的にゲームバランス調整されるようなコンテンツが健全に長続きするとは思えない。

バランス調整への不信感

月替りのタイミングなのでプレミアム交換所のメインスキルのタネでエーフィはLv7にできることもあり、今回のパックはおそらく購入しないと思う。内容的には、経県値に直接繋がるアイテムとサブレのみで構成されていて無駄のないパックなので、内容と価格の基準で言えば今までなら買っていたラインだが、ゲームバランスを後出しジャンケンで変えていくようなやり方に不信感が生じ、ついていけないと思ってしまった。これでエナジーチャージが強くなりすぎてゲームが簡単になりすぎたら、今度はその水準に合わせてエナジーチャージがあっても難しい最難関フィールドや、エナジーを稼げば稼ぐほどお得な初心者に優しくないイベントを行い、更に課金し強化することを促すつもりなんだろうか。
ゲームバランスはあくまで初心者目線で、とっつきやすいゲームを維持し、課金で差をつけすぎないこと。課金するとちょっとだけ自慢できるが、初心者がやる気を無くすほどの差がつかないバランスを維持すること。課金ユーザーへの恩返しは、山手線ラッピングやテレビCM、新聞広告など、推しポケモンをかわいく魅力的に見せてくれる露出、供給を増やすこと。今売り出し中のポケモンや人気ポケモンだけじゃなくて、実装されているすべてのポケモンを大きくプリントして公共の場に張り出すこと。それがユーザーとして複数のソシャゲに触れてきた中で思う、信用できて長く付き合おうと思えるゲームの特徴になっている。ポケスリには考え直してもらいたい。 エナジーチャージの上限解放は、「エナジーチャージは序盤強かったけど今の水準じゃやっていけないね」「初心者にはおすすめだけど最後まで使えるポケモンじゃないよ」と言われるようになってからで十分だった。育成に時間がかかり、どのポケモンを育てるか、半年後、1年後を考えて選択していくゲームで、パックを売るためという理由で簡単にバランスを変えられてしまうようじゃかなわない。
ポケモンの寝顔がかわいいので、今すぐゲームをやめる判断をするつもりはないが、ちょっと距離をおいて、期待しすぎず本気になりすぎず適当にやろう、と思う出来事ではあった。