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メイドインアビス6巻ネタバレ レグの足取りまとめ

アニメ最終話すごいよかった……
原作の次回の更新に向けていままでのところの情報を主にレグの足取りの情報から整理しておきます。
ツイッターでぶつぶつ言ってたののまとめ。

時系列順にまとめてみます。

  • 7層でライザが「謎の人影」に出会う。ライザが手記をしたためる
  • ライザが「謎の人影」を飼ってる犬の名前にちなんで「レグ」と名付ける
  • ライザとレグは口癖や戦い方の癖がうつるほどの時間をともに過ごす。レグが火葬砲で何者かを弔い、ライザに励まされるような描写も
  • レグは「奈落のそこで待」っている何者かに出会い、「奈落の底で待つ」の走り書き、ライザの白笛、ブレイズリーブ、ライザの手記を持って地上へ向かう
  • レグは6層でファプタと出会う。レグは「ハク(一番高い価値)を連れてくる」と言い残して去る
  • レグは4層のライザのお気に入りのトコシエコウの群生地に、まるで墓標のようにブレイズリーブをつきたて、白笛、手記、走り書きをそこに残す。このときレグは青い石のペンダントを持っている(ここまではおそらく記憶がある)
  • レグは更に上へと向かい、1層でベニクチナワに襲われているリコを助ける。リコは青い石のペンダントを拾う(火葬砲の反動の睡眠から目を覚ました時にはレグは記憶を失っていた)
  • 偶然にもライザと同じネーミングセンスを持つリコが記憶を失ったロボットを飼っていた犬の名前にちなんでレグと名付ける
  • 二ヶ月後、オーゼンがトコシエコウの群生地に残された手記などを見つけ、ハボさんがそれを地上へ持って帰る
  • リコとレグが「奈落の底で待つ」の走り書きを見て、深層を目指す冒険をはじめる

叙述トリックとかがないなら、まっとうに読み取ればこんなもんだと思う。気になる点がいくつかある。

オーゼンとレグの関係。

オーゼンは「まだ生きてたんだ」「記憶が戻るまで行かせたくなかった」「頑丈さが売りなんだってね」と多少レグのことを知っている素振りを見せている。
「思い出す前に処分しないと」をいう発言を信じるなら相当都合の悪いことを知っていることになるけど、そこは演技の可能性もあるか……。
レグの口癖や身のこなしがライザに似ていることを指摘しているということは、ライザと共に冒険をしていたということまでは知らない様子だし、頑丈さについても話に聞いていただけでどこまで頑丈なのか自分の目でみたことはなかった。
火葬砲もはじめて知った様子。
事実オーゼンはラストダイブに潜ってからのライザは知らないはずなので、レグのことを知らないほうが普通。
逆に、その多少の知識はどこで得たのだろうか。
リコとレグには公開されていないライザの手記があり、オーゼンがそれを見ていて、リコに全てを教えたように見せて実はその手記のことは隠していたという可能性がひとつ。
でもオーゼンのキャラクターと反する気がするので考え難いか。
あるいは地上へ登る最中のレグと出会ったというセンの方が納得できるかもしれない。
なんならレグがオーゼンに直接「トコシエコウの群生地に白笛を置いてきた」と伝えた可能性もある。

レグはなぜ手記を自分で地上まで届けなかったのか?

レグはなぜ手記を地上まで持っていかずに4層に残したのだろうか?
人に姿を見られることを嫌ったのだろうか。
だとしたら、なぜリコを助けるために火葬砲を撃つというリスクを犯したのか。
実際リコに見つかってしまっている。
そのリスクを犯すほどの価値がリコにあった、つまり、地上にやってきた目的がリコを連れて帰ることだったとすれば納得がいく。
とすると、ハクとはリコのことなのだろうか。
2000年の呪いを解決できるキーパーソンなのだろうか。
リコにアビスの存在そのものを左右できるような特殊性があるとは思えないけど、強いて思い当たるものがあるとすれば、リコの水晶体を通さねば頭痛が起きる特殊な目は、呪いではなく祝福なのかもしれない。
レグが4層の時点から持っていた青い石のペンダントはレグが地上に来た目的のために必要なのだろうか?
それともレグ自身のために必要なものなのだろうか?
レグとリコが出会ってから白笛が上がるまでが2ヶ月だと思うと、レグが4層に白笛を残してからレグがリコを助けるまでおそらくそう間があいてないのだろう。
一層についたと思ったらいきなりリコが襲われているところに出くわしたという感じだろうか。
リコがベニクチナワに襲われていなくてもすぐに姿を晒すつもりだったのだろうか。
記憶を失ったのは事故か、予定通りなのか。

ブレイズリーブをなぜ4層に置いてきたのか?

レグはなぜトコシエコウの群生地を選び、ブレイズリーブを墓標のように突き立てたのだろうか。
そもそもレグはライザのお気に入りの場所を直接見たのははじめてだったはずで、わざわざライザの話をもとに群生地を探したことになる。
単なる感傷かもしれないが、ブレイズリーブが使えなくなった、必要がなくなったという理由なら、使えなくなった時点で捨てておく方が合理的な気がする。
自分には必要ないがまだ使えるから人に渡したかったのか、あるいは演出のためか。
つまり、ライザのお気に入りの場所に、ブレイズリーブと白笛と手記が置いてあれば、誰もがライザは死んで、これらを残したのだと想像する。
ライザは死んだと思って欲しかったのか、これがライザのものだと確実に信じて欲しかったのか。
白笛さえあれば真実だと十分信じてもらえるはずだけど、確実にしたかったのだろうか。
レグに手記などを届けることを命じたのがライザじゃないのだとすれば、この演出の念のいれようも納得がいく気がする。
リコが持っていたプルシュカのユアワースが簡単に盗まれたことを思えば、深層では白笛も本人証明としては弱い。
実はライザではない別の誰か、特に「奈落の底で待」っている何者かの計画なのかもしれない。
手記の更新が止まっている点からも、ライザは死んでこそいなくとも、なんらかの事情で動けなかった、あるいはレグもライザとコンタクトを取れない状況にあったとして不思議ではない。
手記の更新に関しては、情報が漏れすぎてはいけないからあえて制限した、あるいは単純に書くのが面倒だった、という線もありそうなのでそこからだけでは断言できないけど。

ファプタとレグの関係

ファプタの「ファプタのレグ」という発言。
6層でレグとファプタが出会った時、レグは使命を持って地上へ向かう途中であれば急いでいたはず。
奈落の底で待っている何者やライザがいつまでも無事な保証はないし、急がない道中というのは考え難い。
「ファプタのレグ」と呼ぶほどの絆を築く時間はあったのだろうか?
ファプタの「ファプタのレグ」は一目惚れ的な一方的な主張なのかもしれないが、もし6層でしばらく時間を過ごしていたのだとすれば、レグはその時点ではまだ地上を目指していなかったのだろうか。
ライザはアビスの呪いで6層には戻ってこれないはずだが、レグなら6層と7層を往復することも可能だったのかもしれない。
あるいは6層のレグはなんらかの理由で目的を放棄していたか、6層から出られない状況にあったか。

ここから先はレグの足取りとは関係のない考察

オーゼンの言う「あの子」とは

オーゼンの「呪い避けの籠を置いておけばあの子も来てくれたのに」という発言。
あの子とは誰なのか。
その時点ではレグとは出会っていないはずなのでレグではないし、ジルオがライザを選んだのは呪いよけの籠を運んできたこととは直接のつながりはない。
ナナチとは面識はないだろうし、出会っていたとしてオーゼンが惜しむような人材とは思えない。
ライザがラストダイブに潜ってしまったことを指すというのも、「行かなかったのに」ではなくて「来てくれたのに」という言い回しにはしっくりこない。
ファプタはナナチと同じ祭壇で成れ果てた、祭壇は袋小路、という話だったので、ファプタは一度祭壇で成れ果ててから5層を経由してイルブル、村に移動していることになる(ファプタの「どこにでも行ける」というのがどの程度の意味なのかまだわからないのでもしかしたらそんなルールには縛られない存在かもしれないけど)。
もしかしてファプタか?
未登場の誰かだとすると、この伏線が回収されるなら、5層で出会ったその「あの子」は6層以下に移動していることになるけど……。

6層のミーティ

ミーティがなぜ6層にいるのか。
「仮面の男たちがおいて行った」らしい。
ナナチの表情からするに、別人ではなくて成れ果てたあのミーティで間違いなさそうだ。
レグの火葬砲で弔われた際、ボンドルドが「ついに成し遂げましたね、ナナチ」と言っていたけど、あの後また復活してボンドルドに6層まで運ばれて置いて行かれたのだろうか。
アビスなら死んだはずの成れ果てが復活するなんていうこともあるのかもしれないけど、うーん。
成れ果て村で命を差し出し成れ果てた人たちは、村から出られない、知性を残している、という他の成れ果てとは違う特徴を持っている。
対して、ファプタは祭壇の成れ果てで、どこにでも行ける。
そしてミーティは祭壇の成れ果て。
三賢が「使っている」「カジャもほしい」とのことなので、ボンドルドの実験で祭壇で成れ果てたものたちすべてがここにいるわけではなくて、ミーティがなにかしら特別なのだとは思うけど。
情報が少なくてよくわからない。
しかし、ミーティがまだ生きていたということ自体、どんな形であれなんとまあナナチにとって残酷な。
ミーティがナナチの白笛になってくれたりすると比較的心穏やかな結末だと思うけど、さて。

オースとアビスの2000年単位の歴史

オースの歴史について。
2000年前にお祈り骸骨が量産され、一度滅びた後、1900年前からまた人が住みはじめた。
少しずつ探窟は進み、悠遠の文字が発見される。
300年前からそれらのうちの簡単なものは奈落文字として公用語にあてられ使われはじめた。
6層のイルブルの住民たちが使っているのは悠遠の文字。
「奈落の底で待つ」も実は奈落文字ではなく悠遠の文字で書かれているのではないだろうか?
6層のイルブルは2000年以上前から存在しているのでは?
そもそも「2000年」はオースでの話、6層においては「2000年」は2000年ではないし。
キユイがアビスから離れれば病が治ったことを考えるとアビスの底に近ければ近いほどその病は強くなりそうなものだけど、お祈り骸骨が見つかるのは浅いところで見つかるし、イルブルも2000年以上前から存在しているかもしれないとなると、2000年に一度の病はアビスが地上の人たちの命を供物として吸い取るような、そんなイベントなのかもしれない。
力場が津波のように一旦溢れてきてひいていくとか。
「奈落の底で待」っている何かは、きっとこの2000年の病の真実の中核にいる存在なのだろう。