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日本マイクロソフト本社でブログ制作体験をしてきた話

日本マイクロソフト本社でブログアプリケーション制作体験をしてきた話……
というと語弊があって、別にソースをガリガリ書いたわけではない。
このイベントに参加して、用意されたものを使っただけ。

event-0429.azurewebsites.net

なんだか要素が多すぎて説明に困るイベントなのだけれど、コンテンツとしては、

するイベントといった感じだった。

私にとって新鮮だった体験を、以下の3点に絞って書いていこうと思う。

  • PaaSというものにはじめて触れたこと
  • 戸倉彩さんという方を間近で見て話すことができたこと
  • Microsoft社やその製品へのイメージが変わったこと

まずは、PaaSとはなんぞや?という話。

IaaS(Infrastructure as a Service)とPaaS(Platform as a Service)とSaaS(Software as a Service)の違いなのだけれど、
教科書には、IaaSはストレージやネットワークを提供してくれてOSなどを自分で導入できるもの、
PaaSはインフラを提供してくれて、アプリケーションをその上で動かせるもの、
SaaSはブログなどソフトウェア、あるいはアプリケーションを提供してくれるサービス、
というような説明をされる。

OSとかアプリケーションとかよくわからないって人向けに例えるならば、
土地をやるから好きに家を建てていいよ、っていうのがIaaS、
ビルを貸してやるから好きに使っていいよ、っていうのがPaaS、
フードコート作ったからお店出していいよ、っていうのがSaaS
って感じだろうか。どこから用意しないといけなくて、どこから自由にカスタマイズできるのかが違う。

私にとっては、IaaSやSaaSはWeb管の仕事やこういったブログで触っていてなじみがあったのだけれど、
正直PaaSについては教科書で読んだだけの存在で、
いまいちどういった状況で使われるものなのかピンときていなかった。

Microsoft Azureというサービスでは、IaaSとPaaSを提供していて、
DreamSparkという学生向けの無料プログラムに登録すると、PaaSの部分を無料で使えるようになる。
なんせMicrosoftが提供しているものだから、機能も充実しているし動作も安定している。
チュートリアルWordPressというブログソフトウェアを入れてみたものがこれ
いくらでもカスタマイズできる。サークルの先輩が「PHPいじればなんでもできるよ!!」と言っていた。
可能性は無限大。現実的かはさておき。

実際のところ、PaaSって使いどころは難しい気がしていて、
正直ブログを書きたいだけならWordPressなどを利用してソフトウェアから作るよりも、
こうしてはてなブログなどのSaaSを利用した方が機能も特化していて余計な管理をしなくて済んでいいと思うし、
かといってホームページを本気で作りたかったらインフラから自分で作った方が自由度が高い。

どこで使うんだろうと疑問に思ってサークルの人やら講演者さんやらに聞いてみたところ、
インフラが得意でないけどホームページをガリガリ書いて作るのはやりたいとか、
試験的な運用だったり、個人で軽く書いた小規模なアプリケーションだったりで、
インフラからガッツリ作るほどはしなくていい、とりあえず簡単に動かしたいだとか、
そういう状況で生きるものらしい。

作ったウェブアプリケーションを簡単に公開してみたいなんてことがあれば、azureを使ってみてもいいかもしれない。
ちなみに、起業する人は、起業から5年間はIaaSの方も無料で使えたりするらしい。
ちらっとみてみたところ、CentOSからUbuntuからWindowsServerから、かなりOSの選択肢も充実していて、
もし起業するのであれば、使わない手はないと思う。

導入でつまずくところはないと思うので、学生で興味がある人がいれば、下記から登録して使ってみるといいと思う。

Microsoft DreamSpark

それから、日本マイクロソフトのテクニカルエバンジェリスト、戸倉彩さんという方と話すことができたのも、
私にとって大きな収穫だった。

マイクロソフトの公式萌えキャラクターと同じ髪型と眼鏡をし、Windows10のTシャツを着ていらっしゃる戸倉さん。

素敵なTシャツを着て、楽しそうにWindows10について語る戸倉さんは、
「カリスマ性」としかいいようのない人を惹きつける魅力に満ちた方だった。

一言一言から、マーケティングだけでなく技術者としても筋金入りであろうことも伝わってくる。
こんな生き方をする人もいるのだなあ、と、見ているだけで元気をもらっているような気がした。
なんとなく未来が見えない中辛いものに耐えながら生きている人が多い中、
戸倉さんのように、全力でしたいことをしてまっすぐに生きている人がいることはとても素敵なことだと思う。

その戸倉さんが紹介してくれたのが、Windows10。
製品のソースコードを公開しはじめたり、Windows10がLinuxbashに対応すると発表したり、
最近のMicrosoftはなんだか今までと違うぞ、という空気はあったけれど、
どうやらCEOが営業出身の人から技術者出身の人に変わったのがきっかけで、
方針が変わってきたらしい。

自分や周囲が技術者だからという贔屓目を抜きにしても、
技術者にフレンドリーな経営をしていくことが結果的に企業をクリエイティブで活気あるものにするような気がする。
Microsoftは王手で王道の古株であり、新しい挑戦はあまりしないというイメージはもう古いのかもしれない。

その新しく変わろうしているMicrosoftが作ったのが、Windows10。
私はパソコン用OSだとしか思っていなかったのだけれど、戸倉さんが紹介してくれたところによると、
Windows phoneからタブレットから大型機器から、かなり多様なデバイスで使われているらしい。

これは確かに技術的には非常に重要なことだと思う。
OSが共通していれば、それぞれのデバイスごとにソフトを開発しなくても、
ひとつのソフトでいろんなデバイスに応用しやすい。
もちろん入出力装置からなにから違うので、うまく動かないこともあるだろうけれど、
そういう場合も一部の機能を追加すればよく、まったく異なる言語でいちから書き直さなければいけないということはない。

今までデバイスの数だけの手間がかかっていたものが、一回でできるというのは、
言葉で聞いて想像するよりもずっとずっと大きなことだ。
Windows10上で動くソフトウェアの開発は、きっと面白いアイデアも出てきたりして、
活発で面白いものになっていくと思う。

特に戸倉さんが推していたのは、Windows HoloLensという製品。

youtu.be

動作の安定性がどの程度なのかという問題もあるし、
ゴツいサングラスをつけなければいけないので顔が見えなくなるのも個人的には大きな課題だと思っているけれど、
SFで見るようなホログラムが現実になるために必要な第一歩であることはきっと間違いがなくて、
今日明日活躍してくれるものではないかもしれないけど、未来の可能性のワクワク感を感じさせてくれる製品だと思う。

それから、MSP(Microsoft Student Partners)というプログラムの存在を知ることができたのも、大きな収穫だったと思う。
マイクロソフトインターンシップというのは、いわゆる日本企業のインターンシップのような、
比較的短期でバイトと似たような学生向けのものではなく、
もっと社員に近い本格的な仕事で、学部生にはなかなか手が出し辛いものらしい。
MSPはもう少しいわゆる「インターンシップ」に近く、
学生と交流を持つ目的で、学生向けに作られたプログラムになっている。
それでもきっとマイクロソフトのことだから競争率は高いと思うけれど、
マイクロソフトインターンシップよりまだ手が届くものかもしれない。
応募するだけしてみる価値はあるのかな、という気はしている。